土曜保育
職場でのこと。
先日、用事があるからとのことで、土曜保育を利用したいという保護者から電話がかかってきた。
しかし、園の方針では、土曜保育は原則、両親とも仕事がある家庭に限られるという。
これを聞いて、わたしは軽いカルチャーショックを受けた。
認可保育園であっても、そうなのか??
平日フルタイムで頑張っている家庭が、ちょっと私用などで子どもをみてもらいたい時に、いつもの慣れた園では預かってもらえないというこのシステム。
そうすると、この両親は、どこか別のところを探さなくてはいけなくなる。
きっとこちらに電話をかけてきているくらいだから、祖父母などのサポートはないのかもしれない。
そうなると、ファミリーサポートやベビーシッター、他園の休日保育など、が候補となる。
どちらにせよ、金銭的にも精神的にも、親子共に負担が大きくなるのは目に見える。
ちなみに東京都の認証保育園では、曜日や時間は前もって契約しており、それ以外の時間帯や曜日では、たとえ仕事での利用であっても、追加料金を払わなければ利用できない。
認証保育園では、1時間700円もの料金を設定しているところも珍しくない。
1日8時間預けたとして、5000円超だ。
もちろん、預けないという選択もあるが、今度は両親の休む暇がない。
まさに、仕事か育児か。
園側は、どうして渋るのか?
理由は、職員を最低限しか配置していないから。イレギュラーな家庭はなるべく遠慮してほしいとのことだ。
解決策として、一番は、もう少し園のキャパシティが増えるといいのだけれど、それは今の状況では難しいということなのだろう。
それじゃあ少子化は改善されないはずだよね・・・、と心の奥の方で思う。
前々からずっとひっかかっている事柄ではあるが、認可、認証ともに保育園に子どもを預けている親は、どうして両親どちらかが家にいるときは、なるべく家で子どもをみるように促すのか。
それでは両親が休む暇がなくなってしまうのでは?
働く親は、ひとときも休むな、とでも言うのだろうか?
一方、幼稚園に行っている家庭は、親の用事やリフレッシュなど、理由は問わず、保育園の一時預かりも利用している子がたくさんいる(もちろん有料、基本は平日なところが多いが)。
気軽に預けられる先として、そういった場所をいくつも登録している家庭も多い。
それでは、保育園に子どもを預けている両親は、リフレッシュしてはいけないのだろうか。
小さい子を持つ家庭には、もっともっと支援が多く必要なはずだ。
ひとり親家庭なら、尚更である。
昼も夜も、働きに出なければいけない親も、たくさんいる。
いつでも安心して子どもをみてもらえるような仕組みをもっと構築してほしい。
以前に、どこかの園長がこう言っていた。
「うちは延長は19時まで。それ以降は、子どもにも負担になるから預からないことにしている。
本来、会社はそうあるべきで、そういう園が増えることで、世の中の働き過ぎの傾向を見直すことになればいい」
と。
正直言って、そんなことで会社の仕組みが変わるならとっくの昔に変わっているだろうと思った。
けれど実際には、保育園の閉園時間を気にしながら悪戦苦闘している保護者も多くいる。
休日に子どもを預かってもらえるところがなくて、右往左往している家庭もたくさん目にしてきた。
いつだって安心して子どもを預けられる環境が、当たり前のようにあればいい。
休日や夜間のサービスをもっと充実させて欲しい。
親がゆとりを持てることは、必ず子どもにとってもいいはずだ。
みんなで子どもや保護者をサポートしようと思う気持ちがなければ、なかなか難しい問題だとは思うけれど。