人気の保育士
勤務先の保育園に、男性保育士が新たに就任してきた。
新人らしく、何か指示が出るまでまったく動かない。
明らかに先輩保育士が困っている様子でも、指示を明確にしないと動かない。
言ってしまえば、そう。
ぼーっと突っ立っているだけ。
でも、この保育士のすごいところは、放っておいても子どもたちが寄ってくるところ。
大人でもそう思うほど、なんだか寄りたくなる雰囲気を全身に醸し出しているのだ。
特に何もしない。笑顔を振りまいている訳でもない。
でも、この保育士が入ってきてから、この保育士の周りには、常に子どもたちでいっぱい。
それを見て思う。
保育士とは、人間力なんだなぁ、と。
保育だからといって、特に何も専門的な技術などは要らないのだ。
子どもたちは、目の前の人が、自分の味方になってくれるかどうか、安心できるかどうかを、瞬時で見抜く力を持っている。
だから保育に正解はない。
状況によって、いくらでも変わる。
だから、保育士たちは、知識は必要だが、技術力よりも、人間力を磨くことに精を出した方がいいかもしれない。
保育は、教育とは違う。
保育とは、子どもと共に過ごす、生活そのものだということを、この保育士を見ていてしみじみ思う。