ABAセミナー
先日、ABAセミナーというものに足を運ぶ機会があった。
ABAとは、”Applied Behavior Analysis”の略で、簡単に言ってしまえば、子どもが起こす問題の原因を子どもに求めるのではなく、子どもを取り巻く環境に求めることで解決を図るものであるらしい。
自閉症などを始め、障害を持つ子やそうでない子どもにも言動を変える、という点で効果的なセラピーの一つであるそう。
言葉が難しいので以前は敬遠していたが、アメリカでは療育のなかでも最善の結果を出すと言われており、保険も下りるほど認められているらしいとのことで、興味を持って聞きに行くことにした。
結論は・・・
本当にすべての子に対して効果的なのか疑問・・・、と正直思ってしまった。
講師曰く、ABAは、家族がより安全で幸せな生活を営むことができるように、社会的に困らないことを目的として行われるとのこと。
なので、生活に必要とされる基本の動作から、遊びや学習まで、あらゆることに適用できる。
言い換えれば、訓練の場は一日中、どこにでもチャンスが転がっており、子どもは四六時中、半ば調教に近い形で療育を受ける。
基本的には、例えば、
「おいで」
というと、来て椅子に座るように仕向ける。
できないと、何度も何度もできるまで繰り返し。
それから、できた時は、
「いっていいよ」
と言ってから行かせる。
この一連の流れを何度も繰り返すことで、行動を定着させていく。
でも、わたしはここからいちいちつまづく。
どんな子どもでも、「おいで」と言われて嫌な時もあるのでは?
そんな気分でない時もあるのでは??
しかしABAではそういうことは関係なく、そういう時でも構わず、ぐずったり、泣いたりする行動はひたすら無視して、来るまで繰り返しやり続ける。
その行為が、なんだか違和感を覚えた。
ABAに関して、「主体性を否定する」という意見があるらしいが、まさにそういうことかもしれない。
しかし、きっとこのやり方が合っている子どもはいるだろうと思う。
たとえば自閉症の子に関しては、見守るだけでは成長しないということはやはり想像できるので、適切なやり方で行えばきっと成果があるように思う。
そうでない子には、問題行動を起こした際に、ひたすら消去=無視するのではなく、できない思いを受け止めてあげればいいのではないかと思った。
そのステップ一つで、子どものやる気が変わってくることがあるような気がする。
その子その子に応じたやり方でないと、難しいことではありそうだけど…。
普段からたくさん愛情をかけることで、その部分はカバーできるのだから大丈夫なのかな?
それから納得できたのは、できないことにばかり注目するのではなく、日常の生活の中でできるスキルを増やしていくと、他のできなかったこともできるようになり、全体のレベルが上がるというもので、これは自分の子を見ていても本当にそうだな、と思った。
きっと身体的な成長とともに、自分に自信もつくのだろう。
ABAは一度講座を聞きに行ったのみで、まだまだ理解していない部分が多いので、これからもっと知識を増やして保育にも応用できればいいなぁ、と思った。