しつけ
昨日の一時預かりの新規登録面談でのこと。
1歳児のその子は、お母さんとおばあちゃんに連れられてきた。
驚いたのは、そのおばあちゃん。
孫が園の物を触ったり、走り回ったりするごとにイチイチ騒ぎ立て、驚くことに、頻繁にその子の頭をペンペン叩く。
口癖は、
「ほんとにこの子は、躾がなってなくて、すみません」。
ペコペコとお辞儀をしながらそう言う。
耳を疑った。
今時、こんなおばあちゃんいるのか…。
1歳児なんて、落ち着きがなくて当たり前。
ましてこの子は、保育園のようなところに来たことがなかったそうなのだから、目に映るもの全てが新しく、たくさんのおもちゃやお友達など、新鮮で興味深かったに違いない。
追いかけ回すごとに、おばあちゃんの声はだんだん大きくなり、次第に叫び声に近くなった。
「もーっ、ほんとにこの子は、何でこんなに落ち着きがないのかしら」
ブツブツと言っては孫の手や頭を叩く。
その間、お母さんは適当に笑って相槌を打ちながら、黙々と書類を書いていた。
もう、言われ慣れているのだろうか。
その子の必要以上のうろちょろ具合も、もしかしたら、おばあちゃんが一因かもしれないなぁと思った。
ずっと小言を聞いていたら、誰だって落ち着かず、おかしくなるというものだ。
子どもは常に親の言うことを聞いて、大人しく座っていればいいというのだろうか。
迷惑がかからないようにと配慮して下さっているのは分かるが、最後は、おばあちゃんの声の方が大きく、その奇声が園中に響き渡った…。
職員全員がおそらく引いたに違いない。
でも、相談されているわけでもないのに、下手なことは言えないし…。
「昔ながらの躾」の典型的なタイプを、改めて恐ろしいと感じてしまった。
これからここに何度も通うであろうおばあちゃん。
どういうアプローチで行くか。
行く末が気になるところである。