「気になる子と言わない保育」
「『気になる子』と言わない保育」を読んだ。
目から鱗。
子どもの困った言動への対応が、保育者目線ではなく、子どもからの視点ですべて解決できるように書かれている。
一般的な保育書では、環境を整えたり、子どもを諭したりして、どうその子を「動かすか」ということに焦点を置きがちだが、この本では、その子がどうやったら「動く気になるか」ということ。
そしてそのきっかけになるものは、「先生」や「大人」ではなく、「集団」だと説いている。
次の遊びの切り替えが難しい子でも、偏食の子でも、手が出てしまう子でも、子どもは、他の子どもたちを見て、
「自分もやってみよう」
「真似してみよう」
と思うものだと。
確かに…。
これまでは、保育者が子どもをどう動かすか、ということばかりに意識がいってしまっていたけれど、保育園は、みんなで作っていくものだから、他の子どもたちとも一緒に、みんなで助け合って、意見を言い合って、学び合っていこうという考え方でやっていけば、クラスは逆にまとまっていくものかもしれない。
「気になる子」や、「発達障害の子」「グレーゾーンの子」は、ともすれば、みんなと違うアプローチで、みんなと違う接し方をされがちだ。
だけど、それでは本人も、周りも、違和感が拭えないだろう。
「どうして僕だけ?」
「どうしてあの子だけ(特別な対応なの)?」
のような。
これは、インクルーシブ教育に通じる考え方だなぁと思った。
子どもを変えることはできない。
子ども自らが変わるのを待つ。
だから、みんなで助け合っていこう。
だって、子どもは、大人の思ったとおりなんかにはならない。
大人よりも、もっともっと偉大な可能性を秘めた存在であり、子ども自らが成長する時に、その子の「個」は光ってくるものだと思う。
それをクラスで作っていけたら、それはとても素敵なことに違いないと思った。
「気になる子」と言わない保育―こんなときどうする?考え方と手立て (保育実践力アップシリーズ)
- 作者: 赤木和重,岡村由紀子
- 出版社/メーカー: ひとなる書房
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: 単行本
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