笑顔にするお仕事
ちょうど数ヶ月前。
年少さんで、新入園児として入ってきた子。
とにかく、お母さんから離れられなくて、ずっとパニックを起こして泣き通し、職員みんなが手をかけて、長い間かかって、ようやく最近、慣れてくれた子がいる。
笑うと本当に可愛くて、おしゃべりも上手くはできないけど、たどたどしくて、いつも真っ直ぐな目をしている子。
その子のお母さんは、入ってきた時は、いつも不安げで、表情が固く、マスクを手放さなかった。
こちらの問いかけにも、素っ気ない感じで、今思えば、きっと、こちらの様子を伺ってたのかな…。
それが、その子の様子が変わってくるにつれて、表情に柔らかさが出てくるにつれて、何よりも変わったのが、お母さんだと思った。
その子が、自分の作った作品を、お母さんに見せた時の顔が忘れられない。
花が咲いたような、パッとした明るい笑顔。
我が子の成長を心から喜んで、我が子のことを慈しむ、とても素敵な笑顔だった。
その顔を初めて見た時、
「あぁ、このお母さんは、いつも、苦しんできたんだなぁ」
と思った。
その時、保育というのは、とても素敵な仕事のように思えた。
子どもたちも、お母さんたちのことも、笑顔にできるお仕事。
そんな仕事に、微力ながらも携わることができて、とても幸せだと感じた。
お母さんたちは、もちろんお父さんたちも、みんな、子育てで頑張っている。
そんな親子を支えていけるような今の仕事は、やっぱり、とても意味のある、素敵なものだと思った。