井桁容子さん講演会
以前からファンだった、保育界では有名な、井桁容子先生。
その先生の講演に、機会に恵まれて参加できることになった。
井桁先生の保育のあり方を、改めてすごいと感じた。
子どもを管理したり、指導したり、叱ったりするという姿勢はまるでなく、保育者は、ただ子どもたちに共感し、側で見守り、育ちを助ける存在であるだけでいいんだと思えた。
喧嘩に関しても、自分の保育園勤務を通して、保育士が仲裁するのが当たり前のように思ってしまっているけど、先生は、それらもコミュニケーション能力や、失敗を学ぶ力を培うために重要なことなので、むやみに止める必要はないとおっしゃっていた。
すごく納得した。
それからは、今の保育の在り方が、大人にとって管理がしやすいようになっていると思えて仕方ない。
喧嘩しないように、怪我をしないように、みんなで仲良く温和に遊べるように…
すべて、大人にとって都合がいいからだ。
保育者にとっても、保護者にとっても。
さらに言えば、お散歩、給食、お昼寝などぴったりと時間で管理されることすら、子どもの意向を無視している気がしている。
一人一人のリズムや生活環境は違っているのだから、本当はもっときめ細やかな対応が必要なのかもしれない。
そうは言っても、保育園にいる以上、集団行動なので、もちろん基本的には仕方のないことではあるのだけれど…。
先生は、今の社会が、横にならえの社会で、感情がないがしろにされ、一人一人の個性を伸ばしにくいようになっているともおっしゃっていた。
その結果が、現代の若者を追い詰めて、引きこもりなどを生み出すと…。
その意味で、大人はすでに飼い慣らされてしまっているので、むしろ子どもを尊重して、個々の感情を大切に保育していくことが必要なのではないかと思った。
この世の未来を担う子どもたち。
みんなが個性を生かせる、自信が持てるような社会になってほしい。
そのためにできること。
保育者は、良い大人ではなく、子どもにとって嬉しい大人になること。
またわたしも、自分を見つめ直す良い機会になった。
わたしも井桁先生のような保育者を目指したいと思うようになった。
まだまだこれからである。